電験三種のマメ知識~電力と電力量~

電力とは、電気エネルギーのことで、単位は〔W〕(ワット)で表します。(キロは、1,000倍という意味ですので、1〔kW〕=1,000〔W〕になります。)

 

〔W〕を別の単位に改めると〔J/s〕(ジュールパーセカンド)となります。

ジュール〔J〕は「仕事量」の単位で、セカンド〔s〕は時間の「秒」です。つまり〔J/s〕は「1秒あたりの仕事量」という意味になります。この〔J/s〕と〔W〕は、同じですから、〔W〕は1秒あたりの仕事量ということです。この〔W〕は、家電製品の「消費電力」や発電所の「出力」で用いられています。

 

もう1つ電力には、「電力量」という数値があります。電力量の単位は〔Wh〕(ワットアワー)でh(アワー)とは「時間」という意味です。つまり〔Wh〕とは、1〔W〕の電力を1時間使ったときの電力量ということです。例えば、60〔W〕の蛍光灯を1時間、点灯したときに使われた電力量は60〔Wh〕ということになります。

 

ここで気がついた方もおられると思いますが、なぜ蛍光灯の消費電力を電力量の〔Wh〕ではなく電力の〔W〕で表すのでしょう。60〔W〕の蛍光灯を1時間点灯させると、消費した電力の量は60〔Wh〕になるのですから、消費電力は60〔Wh〕でよいと思いませんか?

 

実は、これには、理由があります。それは〔W〕という単位が「性能」を表し、〔Wh〕という単位が「その性能に基づいて使用した結果」だと考えるとわかりやすいと思います。

 

蛍光灯を点灯させるときに、必要な電力が60〔W〕なのですから、この蛍光灯の基本性能は60〔W〕と表せます。

 

一方、蛍光灯を点灯させたときに使用した電力量は、1時間であれば、60〔Wh〕ですが、1日だと60〔Wh〕×24〔時間〕=1440〔Wh〕となり、点灯させていた時間によって、電力量は異なってきます。つまり、使用時間という「結果」によって電力量は決まるので、消費電力といった基本性能は電力量では表しにくいということです。

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