平成25年度電験3種 試験の出題傾向(理論、電力)について

本年度の試験について、科目ごとの出題傾向をまとめてみました。

今回は、理論と電力についてです。

 

「理論」

 A問題は、「コンデンサ」「クーロン力」「磁界」「電磁力」「過渡現象」「計器」に関する問題が各1 問、「電子関係」が2問、「直流回路」「交流回路」が各3問、そのうち文章問題が6問、計算問題が8問といった出題内容でした。

 

 ただし、文章問題といっても、公式を理解していて解ける問題(問1・問3)、グラフを読み取る問題(問12)も含まれますので、単にテキストを暗記しておけばよいという問題は少ないです。
 
 計算問題では、文字式と数値計算が各4問ずつでした。基礎問題が比較的多く、また一見難しそうでも、基本的なことを理解していると解ける問題がいくつかありました。
 問2は、力の方向を考えると、QBに働く力が0であれば、QA=QCになる。
 問7は、容量リアクタンスと周波数は反比例する。
 問8は、短絡部分と抵抗が並列にあれば、抵抗の方には電流は流れない。などです。
 
 B問題は、問15の「三相交流」に関する問題はほぼ毎年出題されています。Y-Δ変換、交流回路の複素数の計算を理解していれば解ける問題です。

 問16は、オシロスコープのグラフからの問題ですが、交流の正弦波及び、sinθとcosθの関係についての基本的な問題でした。

 問17は電界の強さの公式を理解できているかの問題。

 問18は非安定マルチバイブレータについての問題ですが、この種の問題はこの分野が得意な人が選択すればよいでしょう。

 

※  「理論」は、計算問題の配点の割合が高いので、数学ができることが前提となります。

そして、各分野の基本を理解していると、一見難しそうな問題でも、時間がかからずに解けるようになります。

 

 

「電力」

 A問題は、文章問題が11問(「空白組み合わせ語句の選択」4問、「五択の誤り選択」7問)、計算問題が3問と、ほぼ例年通りの出題形式でした。出題内容は、「発電・変電・送配電・電気材料」の各分野から幅広く出題されています。問9以外は過去に出題された類似問題です。

 

 問9は支線の問題で、法規では出題されていますが、電力としては初めてです。題意の条件から、支線柱が受ける水平張力Tが同じことがわかれば、追支線にかかる張力は1回線の引留柱の支線にかかる張力を求めるのと同じで簡単に解ける問題でした。

 

 B問題は、すべて計算問題で、問15(a)の発電端熱効率、燃料消費率、発電電力量からの問題は、過去5年で4回と出題頻度が高く、1時間当たりの発電電力量を求める基礎的な問題でした。(b)の復水器の問題は、類似の計算を行う問題が平成18,14年に出題されています。

 

 問16(a)は、必要なコンデンサ容量を求める基礎的な問題ですが、(b)は、無負荷時の電圧降下を電圧変動率内に収めるためのコンデンサ容量を求めるといった目新しい問題で、算出過程で時間を要したと思われます。

 問17(a)は、基準容量に換算した%値から合成%値を求める問題、(b)は、三相短絡電流を求める問題で、どちらも基礎問題でした。

 

※「電力」は、発電、送配電などの各分野から幅広く文章題、計算問題で出題されますので、広く浅く学習しておくのがよいです。ただし、汽力発電所の熱効率、送配電線路の電圧降下、電力損失など出題頻度の高いところはしっかりと理解しておいてください・。

 

 

「機械」「法規」につきましては、次回改めてお送りします。

 

尚、平成25年度試験の解答・解説は、10月上旬に当ホームページで公開する予定です。
 
 
 

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