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不等率について

法規の計算問題のパターンの一つに不等率の問題があります。
例題で解説していきましょう。

〔例題〕
ある変電所において、図のような日負荷特性を有する三つの負荷群A、B及びCに電力を供給している。この変電所に関して、不等率の値を求めよ。
ただし、負荷群A、B及びCの最大電力は、それぞれ6 500〔kW〕4 000〔kW〕2 000〔kW〕とし、また、負荷群A、B及びCの力率は時間に関係なく一定で、それぞれ100〔%〕、80〔%〕、及び60〔%〕とする。

08-1h
 

〔解説〕
不等式は、次の式で求まる。

不等式=各負荷の最大電力の和\displaystyle P_L〔kW〕/各負荷を総合した合成最大電力の和\displaystyle P_m〔kW〕

\displaystyle P_{L}=P_{LA}+P_{LB}+P_{LC}=6 500+4 000+2 000=12 500〔kW〕
\displaystyle P_{m}は14~16時の間で、\displaystyle 6 000+4 000+2 000=12 000〔kW〕

不等率=\displaystyle \frac{12 500}{1 200}=1.04

不等率とは個々の最大需要電力の和/総合の最大電力です。

最大需要電力とは、A需要家が1日のうちに1番たくさん電力を使うときの値、Bの需要家が1日のうちに1番たくさん電力を使うときの値、Cの需要家が1日のうちに1番たくさん電力を使うときの値を足しています。
これを、最大需要電力の和と定義しています。

次に、総合の最大電力についてです。
総合の最大電力とは、A,B,Cの需要家が使っている電力(の合計)が1番最大となる時間の電力です。この問題では、16時がその値をとります。
総合電力は、12時だと、6 500+3 500+1 000=11 000〔kW〕
8時だと、5 000+2 000+1 000=8 000〔kW〕となります。

以上を踏まえてもう1度最大電力と総合電力を定義します。

最大電力の和とは、各需要家の最大値の合計、つまり全部の需要家が1番多く電力を消費する点の電力の合計です。
しかし、実際の需要家たちは、それぞれ最大電力で使う時間帯が異なります。
よって、ある需要家たちの合計値が実際に最大になっている値は最大需要電力の和とは異なります。それが総合の最大電力です。こちらは、上記の問題の16時の時点での電力です。
各需要家が必要とするそれぞれの最大の電力の和と実際に稼働している各需要家の電力の最値の比が不等率となります。
よって、必ず不等率は1より大きくなります。

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