交流回路でよく直角三角形を描いて辺の長さを計算するということがあります。
おそらく三平方の定理で計算しているかと思いますが、知っていると簡単な計算だけで求めることができることがあるのです。
1.必ず覚える直角三角形の辺の比
三角関数でもよく使う 30〔°〕、45〔°〕、60〔°〕の直角三角形です。
2.覚えておくと得する直角三角形の辺の比
こちらは具体的な角度は覚えておく必要はありませんが、辺の比は覚えておくと計算に役立ちます。
また、3:4:5 を2倍した 6:8:10 も便利ですので、併せて覚えておくと良いでしょう。
3.実際にどう使うのか
例えば、皮相電力が100〔V・A〕、有効電力が60〔W〕のときの無効電力を求めてみましょう。直角三角形を描くと下のようになります。
三平方の定理を使って計算をすると、
〔var〕
と計算できます。
では、これを直角三角形の辺の比を使って考えてみましょう。
皮相電力と有効電力の比は、
となりますので、ここで 3:4:5 の直角三角形と比較します。
すると、皮相電力と無効電力の比は 5:4 になっているとわかります。
よって、
〔var〕
ルート(√)や2乗の計算をしなくても求めることができました。
このように辺の比が 5:3 であると気づくだけで簡単に求めることができるのです。
直角三角形を使って計算をするときは、ぜひ辺の比にも注目してくださいね。